近年、人手不足や海外展開を背景に外国人材の採用に取り組む企業が増えています。一方で、採用後に、言葉の壁やビジネス習慣の違いなどから、実務上のミスマッチが起こる例も少なくありません。
日本語学校もまた、この時代の変化と無関係ではいられません。「日本語が話せる」ことと「日本社会で活躍できる」ことの間には、まだギャップがあります。ISIキャリア外語アカデミーは、この差をどう埋めるかを課題として受け止め、「未来教室」という取り組みを続けています。
未来教室の目的と活動

「未来教室」は、日本社会を知り、企業を知り、自分自身を知り、そして自分の未来を自ら考えるための年間キャリア教育プログラムです。志望業界の研究、企業訪問、ゲストスピーカーによる講演、企業への提案プレゼンテーションと、年間を通じて学びを段階的に深めていきます。この名称には、学生自身が自分の未来を描き、その未来と社会をつなぐ教室でありたいという思いを込めています。
2026年8月には、渋谷原宿校の学生たちが朝日新聞社、JETRO、東京スター銀行、東京証券取引所など計19社・機関の協力のもと、企業訪問を実施しました。学生たちは約1か月半にわたり、訪問する企業について調べ、「何を知りたいのか」「そこで働く人に何を聞きたいのか」を自ら考え、ビジネスマナーや質問の仕方を学んだうえで当日を迎えました。
教室で身につけた日本語を、実際のビジネスの現場で使ってみる。社員の方々との対話を通じて、日本企業の考え方や働き方を知る。そして、「自分は日本でどのように働き、どのような価値を提供したいのか」を考える。事前学習→実体験→振り返り→言語化・共有までを一つの学習として設計しています。
「未来教室」が生み出す価値 ── 学生だけでなく、企業にとっても「学びの場」に

「未来教室」が目指しているのは、学校と企業が互いに学び合う、双方向の関係づくりです。
外国人留学生は、日本企業について知らないことが数多くあります。一方、日本企業も、海外から来た若者が日本企業をどのように見ているのか、どのようなことに不安や期待を感じているのかを知る機会は決して多くありません。
今回、東京スター銀行では、外国籍行員によるパネルディスカッション、オフィスツアー、座談会が実施され、学生と行員が将来のキャリアや日本での働き方について意見を交わしました。同行からも、「留学生の皆さんの率直な声を伺う貴重な機会となった」とのコメントが寄せられています。
私たちは、こうした交流を積み重ねることが、外国人材が日本社会に一方的に「適応する」だけではなく、学生と企業の双方が互いを理解し、ともに成長していくことにつながると考えています。
「日本語ができる」の、その先へ
日本で学ぶ留学生にとって、日本語能力の向上は大切な目標の一つです。しかし、私たちは、日本語が話せることだけで、日本社会で活躍できるとは考えていません。
実際の職場では、相手の意図を理解する力、自分の考えを伝える力、異なる価値観を持つ人と協働する力、自ら課題を見つけ行動する力など、教科書だけでは身につけることが難しい力が求められます。また、外国人材を受け入れる企業側にとっても、言葉だけではなく、仕事の進め方やコミュニケーション、企業文化の違いを相互に理解していくことが重要です。
だからこそISIキャリア外語アカデミーでは、「学校」と「企業」を分断しない教育を重視しています。学生が在学中から日本企業やそこで働く人々と接し、教室で学んだ日本語を実際に使い、成功や失敗を経験しながら成長していく。それが「未来教室」の考え方です。
こうした考え方は、ISI日本語学校グループが大切にしている姿勢でもあります。
ISI日本語学校グループが目指す「グローバルリーダー」の姿
ISI日本語学校グループが育てたいのは、異なる文化や価値観を持つ人を理解し、自分の考えを日本語で伝え、周囲と協働しながら、社会や組織に前向きな変革をもたらせる人材です。これは、WEWORLDが掲げる「国境を越え、世界で活躍するグローバルリーダーの育成と輩出」というビジョンにも直結しています。 留学生にとって、日本での就職はスタートラインにすぎません。その先で、一人ひとりが自分らしく能力を発揮し、日本社会の一員として活躍すること。そこまでを見据えて日本語教育を設計することが、これからの日本語学校に求められる役割だと私たちは考えています
「未来教室」の取り組みについては、プレスリリースでも詳しくご紹介しています。
https://www.weworld.co.jp/news/2022/